この曲は、太っ腹にもライブ映像が
プロモーションビデオとしてYouTubeで公開されていますが、
公共の場所で観るのはおススメしません。
人前でニヤニヤが止まらんくなります。
そんなこの曲と僕との最初の出会いは、仕事帰りの電車の中でした。
そりゃあもう、平静を保つのが大変でしたよ。
周りの人からしたら、太っちょマーガリンが手を振ってるのを観ながらニヤニヤしてるおっさんですからね。とてもまずい状況だと思います。
アイドルがコンサートの終盤にトロッコに乗って観客席をまわり、
みんなでキャーキャー言いながら一緒に歌ったり合いの手を入れたりするあれが、
岡崎体育の手にかかると、全く新しいコメディエンターテインメントに進化しちゃう。
まさに音楽職人。もはや音楽の変態。
それだけ、さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブにかけた想いの強さを感じます。
以下、ネタバレ注意です。
この記事を読んでくれてる人に、その心配はないでしょうけど!
この曲を自分なりに要約すると、こんな感じでしょうか。
①1回限りの壮大なネタ
②緻密に作りこまれた楽曲
③溢れるファンへの感謝
これらが伝わる記事にできたらいいなと思います。
♪「笑顔が光る ほらキミの瞳に ひまわりが咲いたね」
♪「自然と僕も キミにつられてニッコリ笑う」
会場がまさにその通りになっていました。
本当にみんなが笑顔。それも弾けんばかりの。
そうさせてる岡崎体育は、まさに“完璧で究極のアイドル”(©YOASOBI)
♪「もっともっと近くに ギュッと抱きしめてみせるよ 今 移りゆく時の中で出会えたね」
ここまでは、「みんなのうた」に採用されてもいいくらいの、爽やかで素敵な曲です。
でも、さいたまスーパーアリーナのファンたちは、薄々気づいているんです。
そう、岡崎体育は最初からふざけていると。
♪「てゆうか」
♪「みんなが全然知らない曲でトロッコ周んな 今日初披露の曲で周るから客の反応がイマイチ」
最高のオチを迎えるのにふさわしい「てゆうか」の手の振り。
ここから、生粋のエンターテイナーの本領発揮です。
♪「なめんとんかワレ」
世界で一番優しい「なめとんかワレ」でしたね。
♪「気持ちを音に乗せて(Clap) ほら誰も手拍子出来てない」
♪「声高らかに歌おう(Yeah Yeah Yeah) ほら誰も歌えてない」
1番とはメロディーも変えてきて、しかも変則的なリズムと音程で、
初見では絶対対応できない合いの手を求められます。
余程の猛者を除き、多くのファンはただただ笑顔で応えるしかない。
♪「尺を合わせる為に バックして戻っております ただいま またここで会えたよね」
ちゃんと、さいたまスーパーアリーナの大きさとか、
トロッコ動かすスピードとかを計算しているからこその演出。
また会えたファンは最高に嬉しかったでしょうね!
♪「僕らの奇跡をみつけたんだ 愛の中で だけど言葉に隠した本当の気持ちは 伝わらないまま」
うすーく聴こえる2番のサビをバックに、
「歌ってよー。どーしたの?なんで歌ってくれないの?」と、
世界で一番優しく煽られます。
1番で何とかサビのメロディーをつかめた人を裏切る、
「つ・た・わ・ら・ないまま〜」の譜割りなんかも、腹黒くてあっぱれ。
♪「All that ends well is well」
終わりよければすべて良し、僕も好きな言葉ですが、
少なくともこのライブは、最初から最後まですべて良しでしょう!
♪「誰一人聴いたことのない曲でトロッコ周んな これを良しとするな」
いやいや、ファンはみんな良しとしてます。
というわけで、最高に幸福感を味わえるこの曲なんですが、
同時にちょっと、ほろっとしてしまいます。
それは、岡崎体育自身が努力に努力を重ねてつかんだ夢の舞台であるにもかかわらず、
ファンに対する惜しげもない感謝の気持ちを口にしてくれるからなのかもしれません。
この曲の間、何度「ありがとー」と言ってくれただろうか。
そして、体育くんの心配りが素晴らしいなと思ったのが、
「今から近くまで行くよー」とか
「やっと会えたね、近くでね」とか
「みんなの笑顔が近くで見れてるよー」のように、
「近くで」という修飾語をあえて使うところ。
このライブを通して、観客とはずっと会えていたわけだけど、
その距離が縮まったことを伝えてくれるのって、
ファンからしたらすごく嬉しいことだと思います。
極めつけが最後の、
「一生の思い出にするよ゛ー ありがとー!」
笑いと涙の感情がぐちゃぐちゃになりますね。
記憶をリセットして何度でも聴きたくなるこの曲ですが、
本人は、「もう二度とライブで観れない」と宣言しています。
寂しいけど、そういう価値も大事だなと思います。
その代わり、音楽関係者や僕たちファンがこの名曲を語り継いでいきましょう。
次は、「普通の日」です。