優しい声とまっすぐな歌い方が心の隙間を満たしていくようなこの曲。
フィーチャリングのクズノのブログにこんなことが書いてあった。
彼は天才というより、努力型の秀才だ。
多分普通の人なら面倒くさがる事や、後回しにする事に対してちゃんと向き合っている人で、それに時間を惜しまない人なんだろう。
彼は不器用なので、人よりたくさん音楽を聴くし、人よりたくさん音楽を研究するし、人よりたくさんそれを自分のものにしている。
そこが5.6年前、岡崎体育として活動し始めた頃から何も変わっていない、彼は常に努力している。
あんなんおれ絶対無理やもん、精神おかしくなってまう。おれは無理です。
そんな彼の活動をかっこいいと思うし、尊敬する、これからもずっと応援している。
そんな人間性が、否応なく伝わってくるから、どんなにふざけてようが、僕は岡崎体育を応援せずにはいられんのです。
♪「銀河を泳ぐヘラブナ 命を削り上る音」
MVの公開が10年近く前。
若さゆえの泥臭さと淡い恋心を感じるこの曲に、淡水魚がなじみます。
イントロでエレクトリックピアノの音階が上がっていくのが、
銀河を上っていくヘラブナのようにも思えてくる。
♪「風邪が治ったら休みに コーヒー買って川沿いで 地球の丸みを感じるくらいに 寝そべりたい」
また素敵な歌詞を書きやがるね。
病み上がりのちっぽけな自分を、でっかい地球に委ねて深呼吸したくなる感じ。
♪「然して変わらず苦やかな顔 価値や見込みを下げること」
♪「鼻声 女々しい考え 汗かき 胸のほくろ」
自分に自信がないから、価値や見込みを下げる言い訳を吐き出しちゃうこと、僕もあります。
「にこやか」に1か所濁点つけただけで、正反対の意味になっちゃう。こういう言葉を生み出すのも才能だよね。
♪「もういっそ永久に伝わらなくてもいい 思い出がうるさく叫んでる」
そんなこと言うなよ、って言いたくもなるけど、
そんな気持ちがわからないでもない。
友達以上恋人未満でいた頃の思い出が邪魔して告白できないやつの心情だと僕はとらえました。
♪「並んで背を比べるように 爪を短く切れるように 皮膚と皮膚が擦れるように 大人にならなくちゃ」
ORANGE RANGEの『以心電信』やん!
とYouTubeのコメント欄が賑やかなサビ。
僕が高1くらいの頃だったかな、スキー場に行ったとき、
『以心電信』がひたすら流れていました。
でも、調が違うと全然印象が変わるのが、音楽のおもしろいところ。
♪「些細なことを許すように 平気な顔ができるように 忌まわしい夢で起きぬように 大人にならなくちゃ」
この記事を書き始めた日の夜、嫌な夢で目が覚めたんですよ。
絶対この歌詞のせい・・・。
全然大人になれてない。
♪「今月末までずっと手元不如意 赤っ恥」
手元不如意って言葉は、この曲で知りました。
岡崎体育から国語の勉強させてもろてます。
♪「八月の朝のことや 今までの不甲斐なさを」
♪「先へ行く冒険者の本当の姿は それすらも解らない 解らない」
8月の朝に何があったんだろう。
この曲は、フィクションなのか、実体験にもとづいているのか、それすらも解らない。
「FIGHT CLUB」に収録されている「八月の冒険者」とのつながりも気になるけど、それすらも解らない。
♪「相槌を上手く打つように 不満を外に出さぬように 約束は破らないように 大人にならなくちゃ」
♪「涙を瞼に隠すように 時間が解決するように いつか相生いて死ぬように 大人にならなくちゃ」
この曲で、大人の振る舞いってやつを確認しながら生きていきましょう。
でも、僕みたいに相生いて死ぬパートナーがいないやつでも大人になれるでしょうか・・・。
♪「バッドエンドは筋が違うと主人公ぶってた」
iPhone5sで撮影したというこの曲のMVがエモくて何度も観てしまいました。
一緒になれた男女をよそ目に、クズノが覗く望遠鏡に横入りしようとする体育くん。
さっきまで「大人にならなくちゃ」って言ってた人とは思えない。笑
♪「でもなんとなく 頭のどこかで また 『どこかで また』」
耳で聴いただけでは、「頭のどこかでまた」というフレーズを繰り返しているだけかと思って意味を掴めずにいたけど、
この歌詞を目で見たとき、鳥肌もんの衝撃がありました。
自分の想いは「もういっそ永久に伝わらなくていい」とさえ思っていた人に、
やっぱりどこかでまた会えたら…という気持ちを表現していたんですね。
いつもはできるだけお気に入りの歌詞を厳選して書くようにしているのですが、この曲は、言及したい歌詞があまりに多くて、ほぼ全部を取り上げてしまいました・・・。
今さらながら、岡崎体育の音楽に出会えてよかった。
次は、「Hospital」です。