今ならわかります。
この曲を聴いて、ようやく岡崎体育ファンを名乗ってよいんじゃないかと。
最初は思いました。
今度もどんな面白い曲だろう、
エクレアつぶれてクリーム出てくるんかな、とか、
落ち着いたテンポで正統派なギターとドラムで始まるイントロだったけど、
「感情のピクセル」のこともあるし、きっとサビでオチが待ってんだろうなって。
いやはや、最後の最後まで、(いい意味で)裏切られ続けました。
魂のこもった、最高にいい曲でした。
「本当に聴かせたい曲の入り口として、話題性のあるネタ曲をつくってるけど、思ったより難しい」
みたいな記事を読んだことがあるけど、
大丈夫、ここにおるで、その戦略どおりになってるやつが。
♪「どうしようもない夜は こっそり缶ビールあけよう グビグビ飲めるわけじゃないけど 時間をかけて」
Aメロ冒頭。いきなり心がこそばゆくなる。
まだ社会人としては若輩ではあるけど、
そういう夜はあるよね。
でも、僕はお酒が強くないから、缶ビール1本で十分。
まさにグビグビ飲めるタイプじゃない。
自分事に思える歌詞が沁みる。
♪「全巻揃えた漫画を売って その都度後悔する 六畳一間の宝物をまた自ら減らす」
相変わらず、友達に岡崎体育の良さがうまく伝わんなくて悔しいけど、
カラオケでこの曲歌ったら、今んとこ百発百中(正確には三発三中)で、
「すげーいい曲やん」って言ってもらえてる。
中でも、カラオケを聴いてくれた男友達からのリアクションを特に感じるのがここの歌詞。
あるある、とまではいかないけど、なんか僕ら世代の野郎に刺さるみたい。
♪「出かけるんなら大久保のファミマでエクレア買ってきて 財布は電話の横に置いてあるし」
これ、おかんに言ってるってことでいいんかな?
一時期、ファミマのエクレアめっちゃ流行ったよなあ。
確か、今はテレビじゃ見れないS.Sさんが絶賛したことで、売り切れ続出してた。
でも体育くんえらいな、おかんに頼むにしても、自分のお金で買ってきてって。
♪「今でも誰かにあこがれてる ~ 想像上のステージと 想像上のオーディエンス やれるとこまでやろう」
さいたまスーパーアリーナでのワンマンを成功させる数年前に、
この詞を書いていたと思うと、その熱い想いに胸打たれる。
夢を現実にするために、僕には想像できんほどの努力を重ねてきたんだろうな。
♪「魂を込めれば ちょっとくらいはカッコ良く見える」
この歌詞には、「人のものは何でもカッコ良く見える」って前置きがあって、
曲の中ではガンプラが出てくるけど、自分は聴きながら、仕事や人生に置き換えていた。
社会人になって十何年たって、
別の会社で働いている同級生の友達が自分よりだいぶ早く昇進したり、
桁の違うボーナスをもらったりしてる現実を目の当たりにすることがある。
そんな現実に腐りそうになることもあるけど、
この曲を聴いたら、自分の仕事に魂込めて、誇りを持ってやろうって思える。
♪「いい曲はいい人とともに」
エクレアが破裂することはなく、
笑いでオチずに涙が落ちたサビ。
僕はあの日のさいたまスーパーアリーナにはいなかったけど、
そこにいたファンのみんなとともに、この曲は完成したんだと思う。
これからは、僕もいい人の一人に入れてもらえると嬉しいな。
ちなみに、この曲の「ざっ!FIRST TAKE」バージョンが、さらに味があっていい。
冒頭、「ちょっぴり」歌詞間違っちゃうけど。
生ならではのご愛嬌。
ゆっくりめのテンポとハーモニカの生演奏もいいし、
原曲とは違う、
「時間をかけて」の「か」とか、
「また自ら減らす」の「へ」の声の出し方に、
なんかシビれます。
そして何より、この「ざっ!FIRST TAKE」、
1曲目とのギャップが最高。
次は、「鴨川等間隔」です。